アニメーション映像の作り方は?制作のメリットも解説

アニメや映画だけではなく、会社案内や商品紹介にもアニメーション映像が活用されています。

アニメーション映像の制作は以前は大手制作会社のプロ編集者が行う専門性の高い仕事でしたが、パソコンや動画編集ソフトの普及によって、個人でアニメーション映像を制作することが容易になりました。

今回の記事では、アニメーション映像の特徴や作り方、個人がアニメーション映像を制作するメリットを解説します。

アニメーション

アニメーション映像とは?

アニメーション映像とは、複数の静止画を一枚ずつ撮影し、再生することで、画像や絵が動いているように見せる映像を指します。

最も簡易的なアニメーション映像としてパラパラ漫画が有名ですが、実際にはパソコン上で複雑な映像技術を用いて制作されています。

「アニメーション」または「アニメ」と呼ばれることもありますが、元来はラテン語で「魂」や「生命」を意味する「アニマ」を語源とします。

つまり、実際には動くはずがない画像に仮想的な動きを加え、命を吹き込み、自然な動きを実現したものがアニメーション映像なのです。

アニメーション映像が動く仕組み

アニメーション映像が動く仕組みを理解しましょう。 

実際には動くはずがない画像が動いているように見せるために、複数の絵をコマ撮りして、連続撮影して制作しています。

アニメだけではなく、人間が制作したあらゆる映像は実際に生き物のように動いているわけではなく、すべて静止画の連続です。

原始的なアニメーション映像であるパラパラ漫画と同じ原理で、複数の異なる画像を連続して表示することで、画像に仮想的な動きを加えられます。

違和感のない自然な動きを実現するため、多くの絵や画像を制作する時間と技術が必要です。

例えば、1分間のアニメを動かすためには、約1500枚の絵を制作する必要があると言われています。

制作した絵の数が不足すると、複数の絵の間で距離が離れすぎて、映像はカクカクとした不自然な動きとなります。

近年ではCG技術を用いて、制作時間や費用を抑え、絵の質を高める方法が採用されることが多いようです。

個人がアニメーション映像を制作することは可能か?

アニメーション映像は、専門性が高く、映像制作会社が制作し、テレビで流すもの、というイメージが強いかもしれません。

しかし、映像技術の大衆化と動画編集ソフトの普及によって、個人でも大手制作会社に勝るとも劣らないアニメーション映像の制作ができます。

YouTubeなどの動画配信サイトやTikTokなどのSNS上で制作したアニメーション映像を公開する人が増えています。

また、インターネット回線が高速かつ大容量のデータ送受信が行える5Gに移行することで、動画市場の拡大が期待されています。

5Gの普及は個人でアニメーション映像を制作し、公開したいクリエイターにとって追い風となるでしょう。

アニメーション映像の作り方

個人でアニメーション映像を自主制作したい場合、どのような流れで制作すればいいのでしょうか。

 

  • ・構成を考える
  • ・絵コンテを描く
  • ・原画を描く
  • ・中割りを描く
  • ・動画化する

 

以上の5つのステップでアニメーション映像を制作します。

構成を考える

アニメーション映像の構成を考えます。

映像の流れや伝えたいコンセプトを明確にすることで、一貫性があり、訴求力の高いアニメーション映像が完成します。

構成段階で考えるべきことは以下のとおりです。

 

  • ・長さ(時間)
  • ・ストーリー
  • ・世界観や舞台の設定
  • ・キャラクター
  • ・アイテムのデザイン

 

これらの要素を決めておくことで、伝えたい内容が明確で、違和感のないアニメーション映像になるでしょう。

ビジネス的な要素を含む場合、上記に加え、利益目標や掲載媒体、予想される視聴層も考慮します。

構成は、アニメーション映像の基盤となる部分ですので、時間をかけて構想を練ります。

絵コンテを描く

絵コンテとは、アニメやドラマ、映画、CMなど映像作品を制作する時にストーリーの流れをイラストと文字で表現した台本の資料、設計図です。

アニメーション映像を制作する際に絵コンテを制作することは必須となります。

絵コンテに記載する内容は以下のとおりです。

 

  • ・シーンごとの構図
  • ・キャラクターの動き方、カメラワーク
  • ・セリフ
  • ・効果音
  • ・カットの秒数
  • ・シーン番号、カット番号

 

すべての記載内容をイラストのみで表現する必要はなく、詳細な説明は文字ベースで行います。

しかし、情報量が多いと混乱を招くので、必要最低限の情報をピンポイントで挿入します。

原画を描く

原画とは、キャラクターや物体の一連の動きの中のポイントとなる絵を指します。

表現したい動作によって、具体的な原画の枚数は異なり、枚数は自由です。

例えば、シンプルな歩行動作であれば、足を交互に出す2枚の原画で足ります。

制作会社では、アニメーション映像の原画を担当する「原画マン」というポジションが設置されることがあります。

個人で制作する時にはPhotoshopやIllustratorなどのソフトを利用すれば、簡単に描くことができます。

ソフトの使い方が分からない場合、手書きで制作しても問題ありません。

中割りを描く

原画を描いた後は中割りです。

中割りとは、原画と原画の間の絵であり、アニメーション映像の中でキャラクターが実際に動いているように見せる重要な役割があります。

適切に中割りを挿入することで、実写映像のように滑らかな動きを実現できます。

原画同様、中割りの枚数も表現したい動作によって変わります。

例えば、シンプルな歩行動作であれば、足を交互に出す2枚の原画に加えて、6枚の中割り(右足・左足で3枚ずつ)を制作すると、違和感のない自然な動きになります。

キャラクターだけではなく、背景の動きにも利用されます。

どのように中割りを配置すれば、視聴者が違和感を感じないかを意識して、中割りを描きましょう。

動画化する

作成した原画と中割りを動画編集ソフトを使って動画化します。

事前に決めたコマの中に絵を配置するイメージです。

効果音やキャラクターのセリフ、ナレーション、BGMなどの音声を挿入したり、色彩の調整、2dの不要なシーンのカットなどを行います。

さまざまなエフェクトを合わせることで、コンテンツの質が向上します。

写真やテキストなどの素材をしっかり挿入することが視覚に訴え、印象に残る映像を作れるコツです。

これらの作業を行った上で全体に不自然な点がないかを確認します。

最初は無料の動画編集ソフトを使ってこれらの作業を行って問題ありません。

 

  • ・DaVinci Resolve
  • ・Movie Maker Online
  • ・Premiere Pro
  • ・After Effects
  • ・Lightworks
  • ・Shotcut
  • ・PowerDirector
  • ・EaseUS Video Editor

 

それぞれ目的や種類が異なるので、目的に合わせて使うようにしましょう。

最初は基本の機能が備わった無料ソフトで問題ありません。

慣れてきたら最新の有料のソフトを購入することを検討しましょう。

試写を行い、修正点があれば、随時修正しましょう。

テキストのフォントやキャラクターの声の微調整なども実施します。

アニメーション映像を制作するメリット

個人が実写映像ではなく、アニメーション映像を制作するメリットはなんでしょうか。

 

  • ・個人で制作できる
  • ・簡単に再編集できる
  • ・コストを抑えられる
  • ・スケジュールの見通しが立てやすい

 

実写映像を用意するより、メリットが多い場合があります。

これらのアニメーション映像を制作するメリットを紹介します。

個人で制作できる

アニメーション映像は個人が1人で制作することが可能です。

イラストソフトと動画編集ソフトを利用すれば、制作スタッフは必ずしも必要ではありません。

スキルやノウハウがない初心者でもアニメーション制作に使えるツールを利用すれば、企業やプロと同じレベルの作品を作ることが可能です。

初めてアニメーション映像を制作する人でもスマホ上でアプリを導入すれば、手軽に作れる点が魅力です。

実際、YouTubeなどの動画配信サイトやTikTokなどの個人が投稿できるSNS上では個人が制作したアニメーション映像が多数公開されています。

実写映像と異なり、キャスティングやキャスト用の衣装、カメラマンなどは不要なので、個人がパソコン上で一から制作可能です。

簡単に再編集できる

映像作品が完成した後に変更点がある場合、実写映像では、再度撮影が必要となりますが、アニメーション映像であれば再編集が容易です。

キャラクターの服装の変更、シーンのカット、セリフの削除などさまざまな変更を簡単な操作で行うことができます。

キャラクターの差し替えや背景の変更など実写映像では難しい変更であってもアニメーション映像であれば対応可能です。

頻繁に新しい情報をアップデートできますし、期間限定の映像を制作し、季節によって変更を加えることもできます。

コストを抑えられる

実写映像では、キャスティング代、スタッフの人件費、機材やスタジオの調達などさまざまなコストが発生しますが、アニメーション映像では不要なので、低コストで制作できます。

アニメーション映像を制作する場合、必要となるのはパソコンと動画編集ソフトです。

個人が1人で制作すれば、人件費は不要です。

ただし、フルアニメーションを制作する場合やオリジナルイラストの書き起こしが必要になる場合、コストが高くなります。

スケジュールの見通しが立てやすい

実写映像を撮影する場合、ロケ地の天候やキャスト・スタッフの日程を考慮する必要があります。

キャスティングや衣装、機材の調達スケジュールに気を配る必要もあるでしょう。

一方でアニメーション映像では、天候の心配や機材の調達は不要です。

スケジューリングがシンプルであり、余裕を持って制作できるでしょう。

映像作品の制作に集中し、結果的にクオリティの高い作品が完成します。

まとめ

本記事では、アニメーション映像の特徴や作り方、個人がアニメーション映像を制作するメリットを解説しました。

従来、アニメーション映像を作りたい場合、複雑なツールやシステムを使う必要があり、大手制作会社のプロ編集者の独壇場でした。

しかし、パソコンや動画編集ソフトの普及によって、個人であってもクオリティの高い映像を制作できるようになりました。

また、自社でマーケティング用にアニメーション映像の制作を検討する場合、少しでも実績が豊富でアニメーション映像が得意な制作会社を選び、最適なプランを依頼することが手間を省く上で大切です。

5Gの普及やYouTubeなどの動画配信サイトの人気が高まる中でアニメーション映像をシェアする需要は今後増すと考えられます。

実写映像に比べて、参入しやすいので、動画や映像に興味のある方におすすめです。

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