【今日から使える】映像制作業界で知っておきたい専門用語まとめ

各業界には、それぞれ働く人同士がコミュニケーションを取るにあたって欠かせない業界用語や専門用語があります。

映像制作業界でも、様々な専門用語が用いられていますので、将来的に動画制作に関わりたい人のであれば勉強しておく必要があります。

また、動画制作の依頼を検討している側も、知らないと依頼する際に大変になることもあるので知っていた方がメリットが多いです。

本記事では、映像制作業界において、仕事や制作の際によく使われる重要な業界用語や専門用語をまとめてご紹介します。

動画編集に関する基本用語

まず動画制作にあたって、基本である動画に関する用語は抑えておきましょう。

動画を作成する側だけでなく、見る人も覚えておくことで自分が見ている動画への理解が深まります。

解像度

スマホの画面などでも「ピクセル(画素)」で表現されることが多いので馴染みのある言葉です。

画像の密度を示す数値で、解像度が高いほうが鮮明に細かく表現できます。

カメラの質によって、画質が荒くなることがあるので「どんなコンテンツにも対応できる」解像度にすることが求められます。

アスペクト比

画像の横×縦の比率のことで、解像度から計算が可能です。

アスペクト比のバランスが悪いと、画像が歪んで見えたり長時間見ることで目が疲れてきます。

映像をどのようなコンテンツに使うかによって、アスペクト比が異なりますので、依頼先の要件にマッチしていることが大切です。

コンテンツ

容量

推奨サイズ

twitter

最大1GB

1200 x 1200、1920 x 1080

instagram フィード投稿

                 リール動画

                 ストーリーズ


4GB

1936×1936px

1080×1920px

1080×1920px

line

card 16:9

square 1:1

vertical 9:16

card、squareは静止画・動画対応

verticalは動画対応

 

マルチデバイス

動画サブスクリプションでもよく使われている言葉で、いろいろな種類のデバイスで利用できる映像を指しています。

スマートフォンやタブレット・パソコンはもちろんですが、テレビでも見られるマルチデバイスであれば、動画広告の効果を最大限に活かすことができます。

映像を使ったマーケティングは、消費者の目に止まることが重要になるので、マルチデバイス対応であることがポイントなのです。

ビットレート

動画はコンマでデータが流れているので、同じ解像度でもビットレート(データ量)が違うと、動画の美しさに違いがあります。

ビットレートは1秒間あたりのデータ量のことで、大きいほど鮮明ですが重くなり再生しにくくなったり、映像がフリーズしてしまうことがあります。

ビットレートのバランスの見極めは、映像のプロでも難しいと言われています。

フレームレート(FPS)

動画を作るには静止画を連続して映し、動きをだす必要があります。

フレームレート(FPS)は、「1秒間に何枚の静止画を映せるか」を表すための数値です。

FPSが高いほどなめらかな動画になり、低すぎると動きが不自然になりますが、高く設定しすぎるとデータの量が多くなるのでレコーダーも大きなものを必要とします。

動画の制作には、解像度や画質、データの容量などをみながら設定しなければいけません。

コーデック

映像や音声データをエンコード(符号化)やデコード(復号化)に変換するプログラムのことです。

CDやDVD、blu-rayばどの記録媒体やデジタル放送、テレビ電話やテレビ会議、ワンセグ放送等、動画を取り扱うために使われています。

視聴者の視聴環境に合わせたコーデックを使うことで、より多くの人に視聴してもらうことができるのです。

マルチリンガル

1つの動画に対して2種類以上の言語で音声が含まれているものです。

映画のblu-rayやdvdなどで、音声が複数になっているものをイメージするといいでしょう。

海外企業のサービスや商品のPRに必要な場合などに用いられます。

スーパー

「字幕スーパー」ともいい、映画や聴覚障害者のサポートとして字幕を入れるときに使われます。

表示・非表示の切り替えは、視聴者側が行えます。

エンコード

動画データを圧縮・暗号化し、別の形式に変換することです。

web配信に適したサイズに圧縮し、指定の形式に変換しないとプログラムが再生ができません。

オーサリング

音声ファイルや画像、動画を組み合わせ編集してコンテンツを作成することです。

完成したコンテンツは、DVDなどのソフトで焼いて完成させます。

動画撮影の基本用語

カメラで撮影する現場で、よく使われている用語を集めました。

ロケハン

撮影場所(ロケ地)を探すこと、ロケーションハンティングの略になります。

映像のイメージに合わせて、街や建物・自然豊かな場所を探しテスト撮影を行い、イメージ通りであれば本番の撮影に入ります。

映材

撮影に必要なもの、用意するものはカメラだけではありません。

照明用のカラーフィルターやパラフィン紙、遮光シートなどの備品を使ってイメージ通りの映像に仕上げていきます。

撮影に使う消耗品をまとめて「映材」と呼びます。

カムコーダ

ビデオカメラとビデオデッキが一体化している、撮影用のカメラのことです。

バッテリータイプなので、外の撮影にも使われることが多く、撮影用カメラの主流です。

被写界深度

被写体にピント合わせしたときに、焦点がボケずに映る範囲のことです。

レンズや光量により異なるので、室内と屋外では異なるカメラやレンズを設定し使うことが多いです。

空撮

空中から映像を撮影する手法のことをいいます。

航空機を使って映像を撮ることを指して呼ばれていましたが、昨今はドローンが用いられることも多いです。

解放感のある映像は、自然の中での撮影が多くなるので空撮が多くなります。

映像制作編集の専門用語

編集者や動画撮影者が使う言葉には、一般には理解できない言葉が多くあります。

特殊な技術が必要な編集に関わる用語を集めました。

コンテ(絵コンテ)

「コンテ(絵コンテ・画コンテ)」は、設計図や指示書といった意味をもつワードです。

映像制作においては、シナリオをもとに作成される「動作やセリフが書き込まれた撮影指示書」を意味します。

このコンテは、映像制作の要になるのでクライアントの意向を汲んで作成されます。

タイムテーブル

テレビの放送時間は秒単位で決められていますので、その時間に合わせて映像を合成したり編集する必要があります。

タイムテーブルに合わせ、再生が不自然にならないように映像をカットして繋げます。

タイムコード

映像のひとコマごとに入れる8桁の数字のことで、映像編集の基準になる数字です。

これは非常に重要で、このコードがなければ映像編集ができません。

スーパーインポーズ

画面に文字を挿入する作業のことで、挿入された文字そのものをこう呼ぶこともあります。

アイキャッチ

視聴者の注目を集めるため、CMに入る前などに画面の一部に表示します。

オーバーラップ

画像を瞬間的に切り替えずに、次の映像を重ねて表示しながら切り替えていく編集方法です。

捨てカット

万が一のために撮影するカットです。

タイムテーブル編集に使われることもあるので、すべてが無駄になることはありません。

インサートカット

「インサート」と略されることもあり、映像の途中に別カットや音声を挟み込む編集方法です。

映像の時間が長いときや、流れを変えてインパクトを与えるときに使います。

眠い

編集中に眠くなることを言うのではなく、制作した映像が「眠くなるくらいつまらない」「意図が伝わらない」もしくは「ピントがずれている」ような時に使われます。

お蔵入り

映像が何らかの原因により、使われないままにしまわれることを指しています。

アフレコ・アテレコ

アテレコは、アニメなどのキャラクターの動きに合わせて声を当てることをいいます。アフレコから派生した言葉で、映像にセリフを割り当てることから「アテ」がつきました。

SE(サウンドエフェクト)

SEとは、「Sound Effect(サウンドエフェクト)」の略で、映像に施される音響の効果のことをいいます。

テレビ番組でもYouTubeの動画でも、あらゆる動画には「効果音」や「BGM」が入っていますよね。

動画に挿入されるサウンドエフェクトによって、視聴者が動画から得るインパクトが異なるので「映像に引き込まれる」「映像から商品をイメージしやすくなる」「ワクワクして利用したくなる」ものを使うことが大切なのです。

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テロップ

映像に入れられた文字情報のことで、会話内容などが表示される字幕もテロップに含まれます。

映像だけでは情報が伝わりにくかったり、インパクトのある動画にするときにもテロップが使われます。

ナレーション

映像に合わせて企業や商品・サービスを紹介するために「語り」で声を入れることです。

リテイク

映像がイメージ通りに仕上がらなかった時などに、映像を撮り直す際に用いられます。

「リテイクが必要」とプロデューサーが言ったら撮り直ししければをしなければいけません。

映像制作に関わる人の専門用語

映像制作にはたくさんの人が関わっています。

それぞれに役割があり、サポートしあいながら1つの作品を作り上げます。

ディレクター

プロデューサー・ディレクターと聞くと、どんな仕事をしているのだろう?と疑問に感じることもあるでしょう。

プロデューサーは「監督」とも呼んでいて、プロジェクトを統括する役割があります。

現場でスタッフをまとめたり、映像に関する予算調達・管理はもちろん、人を集めるなど広範囲な権限を持っています。

AD(アシスタントディレクター)

テレビ番組などで、「AD ○○(人の名前)」という字幕やナレーションを見たことがある方も多いと思います。

ADとは「Assistant Director(アシスタントディレクター)」の略で、ディレクターの助手を指します。

演出の補佐や企画の発案などに関わったり、撮影やその他の作業、ディレクターからの指示をスタッフに伝えるなど縁の下の力持ち的な仕事を担っているのです。

実績を重ねることで、ディレクターに昇格できます。

カメラマン・カメラアシスタント

映像を撮影するのはカメラマンですが、そのアシスタントとして「カメラアシスタント」がいます。

一番いい状態で撮影を進めるには、場の空気を壊さずに撮影を終えることです。

撮影機材の運搬などは、カメラアシスタントの仕事でレンズ交換やレフ板の差し替えなどカメラマンのサポートをします。

映像撮影現場に関する専門用語

テレビなどの現場では、映像以外のことも専門用語で表現します。

ガヤ

「ガヤ」とは、いわゆるエキストラのことを言います。

正確には、バラエティ番組などで、笑い声や驚きの声を演出する大勢のエキストラのことです。

「ガヤガヤ」と騒ぐ様子から「ガヤ」と呼ばれるようになりました。

カンペ

「カンペ」とは、「カンニングペーパー」の略です。

撮影時において、「指示」や「出演者のセリフ」などが書いてある紙をカメラの写らない場所から見せます。

消えもの

「消えもの」とは、一度使うと消耗するか無くなってしまうような撮影の小道具を指します。

たとえば、「食べ物」や「飲み物」「洗剤」などです。

クランクイン・クランクアップ

「クランクイン」とは、撮影を開始することをいいます。

対して「クランクアップ」は撮影終了の意です。

撮影用のカメラが「クランク」と呼ばれる手動のハンドルで行われていたことに由来しています。

クール

ドラマやアニメなどでよく聞く「○クール」という言葉があります。

これは「四班期(3ヶ月)」という意味です。

たとえば1月から3月まで放送されるドラマは「1クール」となります。

ケツカッチン

「ケツカッチン」とは、役者さんの後ろのスケジュールが詰まっている様子をいいます。

タレントさんに後ろの予定がある場合、「○○さんケツカッチンです」といった風に用いられます。

わらう

「わらう」とは、放送業界の専門用語では「片付ける」という意味です。

スタジオのセットや、椅子、機材などを片付けるときなどに用いられます。

動画マーケティング用語

近年映像業界で増えている依頼が、商品・サービスをアピールするために動画を利用したマーケティングを行う企業からの発注です。

多くの企業では、動画を使った視覚的な戦略が中心となっていることからも、これから伸びていく動画マーケティング用語をおぼえておくことが重要になります。

 

インストリーム広告

インストリーム広告は、数秒間経過した後に視聴者側がスキップできるのが特徴です。

YouTubeを無料で利用する場合、動画の最初や動画の繋ぎにインストリーム広告が表示されます。

動画の長さやサイズを変えればtwitterやinstagram、facebookにも配信できます。

数秒ですがインパクトのある動画が多く、商品のイメージやサービスの認知拡大に効果的です。

バンパー広告

インストリーム広告との違いは、「スキップができない」ことです。

ユーザーは動画をスキップできないので、クリエイティブな動画が利用されることが多く、バーナー広告よりもクリック率が高いのが特徴です。

シリーズ化されることも多く、ストーリー性が高いと視聴者も飽きずに見ることができます。

 

動画アクションキャンペーン(VAC)

動画内にディスクリプションを表示できるYouTube広告のことで、「今すぐ購入」「問い合わせてみる」などのテキストを設置できます。

通常の動画だけでは商品やサービスの認知拡大にしかなりませんが、CTAボタンや広告見出しを入れることで行動を起こしてもらうように働きかけられます。

配信期間が長いほど効果が発揮され、コンバージョンに繋がります。

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まとめ

今回は、制作会社で頻繁に用いられる専門用語・基本用語をそれぞれピックアップしてご紹介しました。

実際の現場で用いられる用語や、撮影・編集時に使われる言葉です。

企業が制作会社に依頼する際、このような用語を事前に知っておけば、ヒアリングでも「何を言われているのかわからない」と困惑することがなくなります。今回ご紹介した専門用語以外にも、一般には使わない映像・放送業界にはたくさんの用語がありますので、気になる方は調べてみてください。

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